こんにちは。個人事業主の「Sバード」です。
この記事では
を、実際の記入例を基に、わかりやすく解説しています。
青色申告承認申請書を提出する際に見逃せない「注意点」も記載しているので、

1.所得税の青色申告承認申請書とは?
青色申告承認申請書とは
です。
青色申告をすることによって、個人事業主に課せられる税金(所得税)を大幅に減らせます。
青色申告には
- 青色申告 10万円
- 青色申告 65万円
の2種類があり、それぞれ「10万円」「65万円」の所得税の控除が受けられます。

青色申告承認申請書を提出しなかった場合は、「白色申告」が自動的に適用され、所得税の控除は受けられません。
青色申告と白色申告の違いをまとめます。
青色申告 (65万円) | 青色申告 (10万円) | 白色申告 | |
帳簿づけの方式 | 複式簿記 | 単式簿記 | |
決算書の種類 | 青色申告決算書 | 収支内訳書 | |
税制上の優遇措置 |
| なし |

難しい言葉がたくさん出てきましたが、ここでは覚える必要はありません。「ふ~ん。そういうものがあるんだ」くらいに思ってください。
(上表のように)青色申告では、所得税の控除や税制上の優遇措置が受けられる代わりに
- 帳簿づけの方式
- 確定申告の際に提出する「決算書」の作成
が複雑になります。
帳簿のつけ方や決算書の作成方法がわからなくても、大丈夫です。会計ソフトを使えば、複式簿記に必要な帳簿を自動で作成できます。

2.青色申告承認申告書の入手方法
国税庁のWebサイト内の
から、ダウンロードできます。
3.青色申告承認申請書の記入例
私(Sバード)が実際に記入した内容を基にし、見やすく加工しています。

4.青色申告承認申請書の書き方
開業届(記入済みのもの)と照らし合わせると、スムーズに記入できます。
上の欄から順に、解説しています。
【項目 1】納税地

納税地に該当する項目を選択し、「住所」「電話番号(携帯でも可)」を記入します。(開業届に記入した納税地と同じものを選択)
【項目 2】提出先・提出日

青色申告承認申請書を提出する「税務署名」と「日付」を記入します。(税務署名は、開業届に記入した提出先と同じものを記入)
【項目 3】氏名・生年月日

「氏名」「生年月日」を記入し、押印します。
【項目 4】職業・屋号

「職業」「屋号」を記入します。(開業届に記入した職業・屋号と同じものを記入)
【項目 5】適用する年度

青色申告を適用したい年度を記入します。(通常は、【項目 2】で記入した提出日と同じ年度)
【項目 6】事務所の名称・所在地

【項目 1】で記入した納税地以外に事業所・店舗等がある場合は、記入します。(例.○○事業所、○○支店、○○店)
【項目 7】所得の種類

開業届に記入した所得の種類と同じものを選択します。
【項目 8】青色申告の取消の有無

初めて青色申告の承認を申請する場合は、「無」を選択します。
【項目 9】事業開始日

開業届に記入した開業日と同じ日付を記入します。
【項目 10】相続による事業継承の有無

新規開業の場合は、「無」を選択します。
【項目 11】簿記方式

「10万円」の控除を受ける場合
「簡易簿記」を選択します。
「65万円」の控除を受ける場合
「複式簿記」を選択します。

【項目 12】備付帳簿名

使う可能性がある帳簿を選択します。
「どれを選べばいいかわからない」という人も、以下のとおり選択すれば大丈夫です。
「10万円」の控除を受ける場合
「簡易簿記の主要5帳簿」といわれる
- 現金出納帳(必須)
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
の5つを選択しておけば、問題ありません。(「必須」以外は、使う可能性がなければ外してOK)
「65万円」の控除を受ける場合
- 現金出納帳
- 売掛帳
- 買掛帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
- 預金出納帳
- 総勘定元帳(必須)
- 仕訳帳(必須)
の8つを選択しておけば、問題ありません。(「必須」以外は、使う可能性がなければ外してOK)
5.青色申告承認申請書の出し方(提出先・期限等)
5-1.提出先
【項目 2】で記入した
へ提出します。
受付時間は、どの税務署も基本的に
- 受付時間:8:30~17:00
- 閉庁日:土日祝日
となっています。
5-2.提出期限
に提出します。
【例①.開業日が2019年1月1日】
- 提出期限は、2019年3月15日
- 青色申告が適用されるのは、2019年分(=開業1年目)から
【例②.開業日が2019年7月1日】
- 提出期限は、2019年8月31日
- 青色申告が適用されるのは、2019年分(=開業1年目)から
5-3.提出物
- 所得税の青色申告承認申請書(提出用)
- 所得税の青色申告承認申請書(控え)
他の開業手続も同時に済ませる場合は、(青色申告承認申請書を含む)以下の提出物が必要です。
No. | 書類名 | 提出先 | 必須かどうか |
① | 開業届(+控え) | 税務署 | 必須 |
② | 事業開始等申告書(+控え) | 都道府県税事務所 | 必須 |
③ | 所得税の青色申告承認申請書(+控え) | 税務署 | 青色申告をする場合に必要 |
④ | 青色事業専従者給与に関する届出書(+控え) | 税務署 | 家族従業員を雇う場合に必要 |
⑤ | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(+控え) | 税務署 | 従業員(家族従業員を含む)を雇う場合に必要 |
⑥ | マイナンバーカードの提示 | 税務署 | 必須 |
どの書類も、収入印紙を貼り付けたり、窓口で手数料を支払ったりする必要がありません。

開業 freeeを使うと、必要な項目の入力だけで、すべての書類を一括で作成できます。しかも、無料で!(インストールなしで、今すぐ使える)
5-4.提出方法
税務署の受付窓口で、【5-3】を提出します。職員がその場で記入内容を確認し、(不備がなければ)提出用と控えにポンポンッと受領印を押してくれます。
青色申告承認申請書は、(開業届と一緒に)郵送でも提出できます。詳しくは、次の記事をご覧ください。
6.青色申告承認申請書を出す際の注意点
【注意点 1】「控え」を忘れずに
青色申告承認申請書は、一度提出すると手元に戻ってきません。必ず「控え(コピー)」も準備し、窓口で受領印を押してもらいましょう。
青色申告承認申請書の控えは
- 屋号付きの銀行口座を作る際
- 金融機関に融資を申し込む際
に、提出を求められる場合があります。
【注意点 2】他の書類も忘れずに
(前述のように)他の開業手続も同時に済ませるためには、「青色申告承認申請書」以外の書類も必要です。
「書類を準備し忘れて、もう一度税務署に行くことに……」と、二度手間にならないよう
- すべての書類が揃っているか
- 記入不備がないか
を、入念にチェックしましょう。
開業 freeeを使うと、必要な項目の入力だけで、すべての書類を一括で作成できます。しかも、無料で!(インストールなしで、今すぐ使える)

引用・参考文献
萩口義治著『第5回マネーセミナー フリーランスになったら避けては通れない会計』株式会社HG&カンパニー はぎぐち公認会計士・税理士事務所、2012年