【基本文章術】確実に伝わる!文章の書き方 17のルール(例文付き)

文章の書き方の基本
  • 文章を書き始めると、途中で手が止まってしまう。
  • 一生懸命書いているのに、反応がない。
  • 気付いたら、滅茶苦茶な文章に……

文章を思い通りに書けず、「ハァ~」とため息が出ることはありませんか?

もしそうなら、文章の書き方の基本を知らないだけかもしれません。

そう言う私(Sバード)も、数年前までは書き方の基本を知らず、滅茶苦茶な文章を書いていました。ところが、基本を知ってからは、ブログ記事をサクッと書けたり、Webサイトを通して収入を得られたりと、良い変化が起こるようになりました。

そんな私が

Sバード
もっと早く知っておけば、スムーズに書けたのに!

と感じた「17の文章術」を、例文付きで解説します。

1.正しい表現で書こう

伝わる文章には、正しい表現が欠かせません。どんなに有益な情報が書かれていても、おかしな表現が含まれていると、読者の信用を失ってしまいます。

このパートは(国語の授業のように)堅苦しいかもしれませんが、まずは、文章の基本である「正しい表現」を身につけましょう。

【文章術 1】読点を正しく使う

読点「、」とは
  • 文中で意味の切れ目に打たれる記号
  • 文に適度なリズムを与えてくれるもの

読点を正しく使うことによって、文章の読みやすさがグンと上がります。逆に、読点が正しく使われないと、意味の切れ目を把握できず、スムーズに読み進めることができません。

読点を打つ目安

  • 1文当たり、1~3個。
  • この数から大きく外れると、読者は違和感を感じてしまう。

読点を打つ場所①:長い主語の後

例文この文のように長い主語が最初に来る場合は主語の後に「読点」を打つと読みやすくなります。

読点を打つ場所②:前提・状況の説明の後

例文
  • あと3分早く家を出れば電車に乗り遅れずにすんだはずだ。
  • 片瀬江ノ島駅を降りると心地良い潮の香りが漂ってきた。

読点を打つ場所③:原因や理由の説明の後

例文
  • 急病人発生のため飛行機は目的地を変更した。
  • 心をリセットしたかったのでオーストラリアへ旅に出た。

読点を打つ場所④:誤って解釈される恐れがある場合

原文美咲は叫びながら去っていく彼を追いかけた。
改善美咲は叫びながら去っていく彼を追いかけた。(=叫んでいるのは美咲)
改善美咲は叫びながら去っていく彼を追いかけた。(=叫んでいるのは彼)

ほかにも読点が欲しい箇所

  • 逆説に変わるところ
  • 2つのものを対比するとき
  • ひらがなばかり、漢字ばかり、カタカナばかりが続く場合

読点の打ち方をもっと詳しく知りたい方は、例文が豊富なこちらの本がオススメです。

【文章術 2】「て・に・を・は」を正しく使う

「て・に・を・は」「が・で・の」(助詞)は、語句と語句を繋ぐ、文の大事な要素です。助詞の使い方を間違えると、違和感のある文になってしまいます。

「に」と「で」

愛知県東海市は、「トマトで健康づくり条例」というユニークな条例がある。
愛知県東海市は、「トマトで健康づくり条例」というユニークな条例がある。
愛知県東海市は、「トマトで健康づくり条例」というユニークな条例が施行されている。

「を」と「が」

このカフェでは、手作りのケーキ売っている。
このカフェでは、手作りのケーキ売っている。
このカフェでは、手作りのケーキ売られている。

脱落

私が最初に担当した仕事は、営業部の顧客満足度のリサーチだった。
私が最初に担当した仕事は、営業部の顧客満足度のリサーチだった。

混入

私が開発した商品は、グッドデザイン賞を受賞した。
私が開発した商品は、グッドデザイン賞を受賞した。

【文章術 3】話し言葉と混同しない

話し言葉とは
日常的な会話で使われる、くだけた言葉遣い

ビジネス文書のようなフォーマルな文章に「話し言葉」が含まれていると、稚拙な印象を与えてしまいます。

「ら抜き言葉」と「い抜き言葉」

ら抜き言葉
不安で寝れない。
不安で寝れない。
い抜き言葉
彼は料理を楽しんでる。
彼は料理を楽しんでる。

「~なります」

こちらの部屋は、女性専用になります
こちらの部屋は、女性専用です

「~的には」

的には、その意見に賛成できません。
その意見に賛成できません。

「~みたいな」「~感じ」

ピンチを乗り切れて、ホッと安心みたいな感じです。
ピンチを乗り切れて、ホッと安心しました

そのほかの話し言葉

結果、~」「正直、~その結果、~」「正直なところ、~
~させていただく」をむやみに使う。謙譲(へりくだる場面)以外では使わない。
文頭に「なので」を使う。そのため」「したっがって」「よって」などの正しい接続詞を使う。

【文章術 4】文をかみ合わせる

文の前半と後半のズレに、注意しましょう。

「こと」で受ける

信頼関係を築くために大切なのは、相手の話をじっくり聞くのが肝心である。
信頼関係を築くために大切なのは、相手の話をじっくり聞くことである。

述語を忘れずに書く

このホテルはロケーションだけでなく、料理も美味しい。
このホテルはロケーションが良いだけでなく、料理も美味しい。

セットの言葉を忘れずに書く

「~たり~たり」
検索順位が上がったり下がる。
検索順位が上がったり下がったりする。
「どんなに~でも(ても)」
どんなに綺麗に咲いているが、いつかは枯れてしまう。
どんなに綺麗に咲いていても、いつかは枯れてしまう。
そのほかのセットの言葉
  • もし~ならば
  • まったく~ない
  • まさか~ないだろう

2.シンプルに書こう

いくら正しい表現を使っても、文の構造が複雑だと、読者はスムーズに読み進められません。以下の3つのポイントを押さえ、シンプルに書きましょう。

【文章術 5】基本的な語順で書く

基本的な語順
「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「何を」「どうした」

この語順をベースにし、大きな状況から小さな状況の順に書くと、わかりやすい文になります。

原文2人組の男に建設会社社長が足立区の路上で5日深夜にバットで襲われる事件があった。
改善5日深夜、足立区の路上で建設会社社長が2人組の男にバットで襲われる事件があった。

【文章術 6】何を指しているのかを明確にする

修飾語と被修飾語の位置が離れていると、どの言葉が何を指しているのかがわかりづらく、読者は混乱してしまいます。

修飾語とは
他の言葉を説明する言葉
被修飾語とは
修飾される言葉

【修飾語・被修飾語の例】

  • 安くて美味しい
  • ゆっくり走ろう

※下線部が修飾語、太字が被修飾語

修飾語は、なるべく被修飾語の直前に置きましょう。

原文とても、この講師の説明は丁寧だ。
改善この講師の説明は、とても丁寧だ。

【文章術 7】主題を最初に示す

最初に、次の文を読んでみてください。

正しいフォームを身につけずに「自己流フォーム」で走り、腰や膝を痛めてしまうため、ランニングを続けられない人が多い。

最後まで読んで初めて、この文は「ランニングを続けられない人が多いこと」について述べていると、気づいたのではないでしょうか。

このように文の主題(=何について述べているか)が最初に示されていないと、読者は疑問を感じながら読み進めることになります。

先ほどの文で主題を最初にもってくると、次のようになります。

ランニングを続けられない人が多い。なぜなら、正しいフォームを身につけずに「自己流フォーム」で走り、腰や膝を痛めてしまうからだ。

わかりやすくなりましたね。主題は最初に示しましょう。

3.文章の構成を組もう

相手に伝わる文章は、構成がしっかり組まれています。

【文章術 8】コンセプトを明確にする

文章を書く目的は、相手に何かを伝えることです。そのため、何を伝えるか(=コンセプト、目的)を明確にしなければなりません。

コンセプトを決めないまま書いても、あなたの伝えたい内容は、当然伝わりません。

思いつく内容をノートやメモアプリに書き出したり、情報収集をしたりして、まずは、伝えたい内容を整理してみましょう。

【コンセプトの例】

  • 自分のお店の商品の魅力を伝え、興味を持ってもらい、来店してもらう。(ホームページ)
  • 現状に不満を持つ関係者の共感を得て、新規プロジェクトを実現する。(企画書)
  • 眠りが浅くて困っている人に、ぐっすり眠れる方法を紹介する。同時に、記事内のアフィリエイト広告を通して「快眠グッズ」を購入してもらう。(ブログ記事)

【文章術 9】設計図を書く

建築物に設計図が必要であるように、文章にも設計図が必要です。設計図がない状態(=書く内容が整理されていない状態)でいきなり書き始めると、焦点が定まらない意味不明な文章になってしまいます。

最初に、「骨子(こっし)」とよばれる、文章の設計図を作りましょう。設計図というと、複雑なものを想像するかもしれませんが、心配は要りません。

骨子について詳しく解説している文献はたくさんありますが、ここでは

同じ意味のまとまり(段落やタイトルの内容)を短く要約し、並べ替えたもの

を「骨子」と呼ぶことにします。骨子の例を、下に記載します。

例①:企画書の骨子

企画書の骨子

例②:ブログ記事の骨子

ブログ記事の骨子

骨子を作ることによって、「書いていくうちに、テーマから脱線してしまった!」となるのを防げます。

4.視覚効果を高めよう

文章の構成を組み、正しくわかりやすい表現を使っただけでは、まだ不十分です。視覚効果を高めるための工夫が必要です。

【文章術 10】太字や「」で強調する

原文まほろばという日本の古語には、素晴らしい場所と住みやすい場所という意味がある。
改善まほろばという日本の古語には、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味がある。

【文章術 11】スペースや点で区切る

原文東京大学大学院人文社会系研究科日本史学研究室
改善東京大学 大学院 人文社会系研究科・日本史学研究室

【文章術 12】箇条書きを用いる

原文クラウド会計ソフトを用いることによって、経理業務の効率化を図れる。このソフトには、税理士を雇わなくて済むため人件費を削減できる、面倒な仕訳作業を自動で行ってくれる、自動でバージョンアップが行われるなどのメリットがある。
改善

経理業務の効率化を図れる「クラウド会計ソフト」には、以下のようなメリットがある。

  • 税理士を雇わなくて済むため、人件費を削減できる。
  • 面倒な仕訳作業を自動で行ってくれる。
  • 自動でバージョンアップが行われる。

5.読者の心をつかめ!

どんなに読みやすくても、読者の気持ちを無視した文章は、伝わりません。以下の3つのポイントを押さえ、読者の心をつかみましょう。

【文章術 13】想像力を働かせる

想像力を働かせるための質問
  • 読者は、どんな悩みを持っているの?
  • 読者は、どんな情報を必要としているの?
  • 読者の共感を得るには、どんな書き方をすればいいの?

(この質問を駆使しながら)想像力を柔軟に働かせ、読者の気持ちを汲み取ることが重要です。「読者が欲している情報を届けること」「読者の気持ちに歩み寄ること」を意識しながら、文章を書きましょう。

私(Sバード)はブログ記事を書く際、読者の悩みを把握するために、インターネットの掲示板をよく覗きます。普段は言えない本音が書き込まれているため、アイデアが出ないときにオススメです。

【文章術 14】キャッチコピーを作る

「汝が敵を愛せ」
「求めよさらば与えられん」
「人はパンのみによって生くるにあらず」

イエス・キリストの言葉は短くて簡潔ですが、奥深い意味が凝縮されています。今なお多くの人の心を惹きつけるイエスは、名コピーライターだったのです。

優れたキャッチコピーは、人の心に突き刺さります。文章のキャッチコピー(タイトルや見出し)が魅力的ならば、読者は中身まで読み進めてくれるでしょう。

逆に、どんなに中身が素晴らしくても、キャッチコピーが魅力的でないと、読む前にスルーされてしまいます。キャッチコピーの例をいくつか挙げます。

ストレートに表現する

原文悪質な業者に騙されないよう、十分に注意してください。
改善ぼったくり業者に要注意!

数字で説得する

原文おにぎりおよそ1個分のエネルギーを、素早く補給できます。
改善10秒チャージ、2時間キープ。

話題性を出す

原文シェリー酒が飲める珍しい本屋が、代官山にオープンしました。
改善世界初登場! シェリー酒が飲める本屋(代官山)

キャッチコピーの作り方をもっと詳しく知りたい方は、(77通りのテクニックが学べる)こちらの本がオススメです。

【文章術 15】説得力を高める

ビジネス文書やプレゼンテーションなどでよく使われる「PREP法」という文章構成方法を紹介します。

PREP法を用いることによって、簡潔かつ説得力の高い文章を作れます。PREP法の文章は、次のように4つのパートで構成されます。

PREP法の文章構成
  1. 【Point:結論】最初に結論を伝え、
  2. 【Reason:理由】次にその理由を説明し、
  3. 【Example:具体例】さらに理由を裏付ける具体例を示し、
  4. 【Point:結論】最後にもう一度結論を述べる。

それでは、PREP法を用いて文章を作ってみます。

【例.自分の考えを述べる文章】

  1. 私は絶対に電話に出ない。
  2. 「百害あって一利なし」だからだ。
  3. 電話に出ると、仕事が強制的に中断されリズムが狂う。無駄な雑談をしてくる連中もいて、私の貴重な時間が奪われる。
  4. だから、私は絶対に電話に出ない。

PREP法を用いることによって、(読者に無駄なエネルギーを使わせずに)あなたの伝えたい内容を短時間で簡潔に伝えられます。

6.その他の知っておきたいテクニック

【文章術 16】推敲

推敲(すいこう)とは
書いた文章を読み返し、より良い文章に書き改めること

推敲という仕上げの作業なくして、良い文章は完成しません。以下の3つのポイントを押さえて「推敲」しましょう。

推敲のポイント①:厳しい態度で行う

甘い態度で推敲しても、文章は改善されません。「何としても、おかしな箇所を見つけてやろう!」という厳しい態度で臨みましょう。

推敲のポイント②:見るポイントを絞る

一度にあれもこれも直そうとすると、注意散漫になり、推敲が中途半端に終わってしまいます。

  • 最初は、「おかしな表現がないかどうか」をチェックしよう。
  • 次は、「読点の打ち方」をチェックしよう。
  • その次は、「誤字脱字」をチェックしよう。

このように見るポイントを絞ることによって、見逃しを防げ、効率的に推敲できます。

推敲のポイント③:一晩寝かせる

より良い文章を書くためには、自分の文章を客観的に見ることが重要です。そのためには、「一晩寝かせること」が効果的です。

文章を書いた直後は、「心がこもった良い文章が書けた」「こんなに苦労して書いたのだから、間違いがあるはずがない」などの感情が残りがちです。

このような感情(=主観)が、客観的に見ることを妨げます。時間を空けて頭がリセットされると余計な感情が消えるため、一晩寝かせることが効果的です。

【文章術 17】真似をする

自分の文章を読んでいるだけでは、文章力は上達しません。たまたま目にして「いいな!」と思った文章を分析したり、さまざまな文章を積極的に読んだりして、上手な人の書き方を取り入れましょう。

他人の文章をそのまんまパクると、「違法」になる恐れがあります。法律や著作権に触れないよう十分に注意しながら、モラルを守って文章を書きましょう。

7.文章の書き方の基本を学ぶ-おすすめ本(3冊)

最後に、あなたにお薦めできる「文章の書き方の基本」が学べる書籍を紹介します。

私(Sバード)が実際に読んだ本の中から、以下のいずれかに当てはまるものを選定しました。

  • 文章の書き方の「本質」が書かれている。
  • 事例が豊富で、わかりやすい。
  • 誰もが実践できる内容である。

文章の書き方・おすすめ本-1:『文章力の基本』

「文章を書くのは難しい」「今さら文章の基本を学ぶのは苦痛だ」

この本は、そんな悩みを持つ初心者が挫折せずに「文章術の基本」を学べる入門書です。

「正しく」「自然に」「簡潔に」「整理して」「共感を呼ぶように」をキーワードに、基本文章術を “幅広く 丁寧に” 解説しています。例文が豊富で、中身がしっかりと整理されているため、初心者でも理解しやすいです。

文章術の基本を無理なく学べる良書です。

文章の書き方・おすすめ本-2:『「わかりやすい」文章を書く全技術100』

文章を書く技術のすべてが凝縮されている、稀有な入門書。

「指示語」「接続助詞」「中止法」「修飾語」「推敲」、etc……。Sバードが知る限り、これほど文章を書く技術を詳しく解説している入門書は、ほかにはありません。

国語の授業のように内容が本格的なため、最初は「少し堅苦しい」と感じるかもしれません。しかし、100の技術一つひとつが丁寧に解説されているため、初心者でも抵抗なく読めます。

文章力に自信がつく、貴重な一冊です。

※Amazon(Kindle版)のみ

文章の書き方・おすすめ本-3:『キャッチコピー力の基本』

どんなに有益な情報が書かれていても、タイトルやキャッチコピーが魅力的でなければ、読み進めてもらえません。

この本は、広告制作の経験が豊富な著者が「キャッチコピーの基本」をわかりやすく解説した入門書です。

「言い切る」「例える」「名言を使う」「組み合わせる」「造語をつくる」など、さまざまな種類のキャッチコピーの作り方を、生きた実例を用いて解説しています。

この本の内容は、表面的なテクニックにとどまりません。著者は「読み手の心理」の奥深くまで踏み込んでおり、キャッチコピーの本質を熟知しています。

キャッチコピーの真髄が学べる、価値ある一冊です。

8.さいごに

今回紹介した、文章の書き方の基本。ボリュームの多さに圧倒された人も、多いのではないでしょうか。

私も最初は、文章術の多さに驚きました。ところが、基本文章術を一つずつ実践していくうちに、滅茶苦茶だった私の文章も、少しづつまともになってきました(まだまだ修行中)。

文章術は、強力な「表現手段」です。文章の書き方の基本を身につけ、あなたの想いを一人でも多くの人に伝えましょう。

参考文献

  • 阿部紘久著『文章力の基本』日本実業出版社、2009年
  • 大久保進著『「わかりやすい」文章を書く全技術100』クールメディア出版、2016年
  • 川上徹也著『キャッチコピー力の基本』日本実業出版社、2010年
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