こんにちは。個人事業主の「Sバード」です。
フリーランス・個人事業主として活動し始める際、銀行口座について悩むことがあると思います。
- 今使っている個人口座じゃダメなの?
- 屋号付き口座って、簡単に開設できるの?
- 屋号付き口座を開設するなら、どこがいいの?
- etc…
私も開業当初は「銀行口座、どうしよう……」と迷っていましたが、屋号付き口座を開設して数年経った今では

と実感しています。
この記事では、私の実体験を基に
- 屋号付き口座を持つメリット
- 屋号付き口座を開設する方法
- 屋号付き口座を作れるオススメの銀行
を、わかりやすく解説しています。
1.「個人口座」と「屋号付き口座」の違い
屋号付き口座を開設する前に、「個人口座」と「屋号付き口座」の違いを知っておくことが重要です。
1-1.個人口座(プライベート用)とは
個人口座とは、あなたがすでに持っている生活用の銀行口座です。
- 公共料金の引落し
- 各種保険料の引落し
- 携帯電話料金の引落し
- クレジットカード決済
などに使われ、
でのみ、口座を開設できます。(団体名の名義で開設できる場合もある)
1-2.屋号付き口座(ビジネス専用)とは
屋号付き口座とは
- 顧客(クライアント)からの報酬の入金
- 経費の支払
など、ビジネスの取引専用に使われる銀行口座です。
個人口座と機能に大差はありませんが、
という大きな特徴があります。
2.屋号付き銀行口座を持つメリットとは?
個人事業主が取引する際、ビジネス専用口座ではなく、プライベート用口座を利用しても問題ありません。しかし、ビジネス専用口座を開設するのが一般的です。
個人事業主がわざわざ(屋号付きの)ビジネス専用口座を持つメリットとは、何なのでしょうか?
【メリット 1】お金の管理がラク
個人事業を営むうえで、「ビジネスのお金の流れを一本にまとめる」ことは極めて重要です。
プライベートとビジネスの口座を分けておけば、
- ビジネスの取引すべて(報酬の入金、経費の支払)を一元管理できる。
- 会計業務(帳簿づけ、確定申告)がスムーズになる。
- 財務状況を把握しやすくなる。
など、お金の管理がラクになります。
逆に、プライベートとビジネスのお金がごちゃ混ぜだと、ビジネスの取引を抽出するのに時間がかかり、会計業務や財務状況の把握が面倒になります。
時間のロスをなくし、本来の仕事に集中するためには、ビジネス専用口座が必須です。

【メリット 2】手数料が安い
この記事では、実店舗を持たない「ネット銀行」をお薦めしています。
ネット銀行は実店舗を持たない分、手数料を安く抑えています。無駄な出費を1円でも減らしたい個人事業主にとって、振込手数料が安いことは大きなメリットとなります。
【メリット 3】安心して振り込んでもらえる
顧客(クライアント)があなたの銀行口座へ代金を振り込む際、口座の名義があなたの個人名でも、振り込んでもらえるでしょう。
しかし、屋号付き名義のほうが
- 単に怪しくない。
- 個人事業者として、銀行の審査に通っている。
など、顧客にとって安心感があるため
- 購買意欲の向上
- 代金の未払いの防止
につながる可能性があります。
3.屋号付き銀行口座が不要なケースもある
【ケース 1】屋号を持たない場合
屋号を持たず「本名」で活動する際は、当然、屋号付き口座は不要です。
しかし、(前述のように)プライベートとビジネスのお金は、きっちりと分けて管理するべきです。
屋号を持たない場合は、個人口座を新たに作り、ビジネス用の口座として使いましょう。
【ケース 2】屋号付き口座で報酬を受け取れない場合
例えばアフィリエイトブログを運営している場合、その報酬は、ASPとよばれる仲介会社から振り込まれます。
しかし、ほとんどのASPは、報酬の振込先に「本名フルネーム」名義の銀行口座しか認めていません。
このように支払元が「屋号付き口座」に対応していない場合は、(【ケース 1】のように)個人口座を新たに作るしかありません。

4.屋号付き口座を開設する方法(必要書類と流れ)
4-1.屋号付き口座の開設に必要な書類
屋号付き口座の開設には、基本的に以下の書類が必要です。(銀行によって多少異なる)
口座開設申込書 | 金融機関独自の申込書 |
本人確認書類 |
|
屋号が確認できる書類 |
|
4-2.屋号付き口座の開設の流れ
口座開設の基本的な流れは、以下のとおりです。(銀行によって多少異なる)
- 書類を準備・作成する。
- 書類を銀行へ送付する。
- 口座の開設が完了すると、銀行からキャッシュカードが届く。(1~2週間程度かかる)

5.屋号付き口座を開設できるオススメの銀行ならここ!
屋号付き口座は、メガバンクとネット銀行の一部で開設できます。
【屋号付き口座を開設できる銀行一覧】
- PayPay銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三菱東京UFJ銀行
- ゆうちょ銀行
- りそな銀行
(2019年7月時点)
メガバンクには「誰もが知っている大きな銀行」というネームバリューがありますが、
- 振込手数料が高い。
- 窓口で開設手続をする必要がある。(一部)
- 屋号付き口座を「正式なメニュー」として提供していない。(裏メニュー扱い)
などのデメリットがあります。
一方、ネット銀行はメガバンクほどのネームバリューはありませんが、
- 振込手数料が安い。
- 開設から取引まで、ネットで完結する。
- 屋号付き口座を「正式なメニュー」として提供している。
など、メガバンクにはないメリットがあります。
個人事業を数年間営んでいる私は

と実感しているので、利便性の高い「ネット銀行」に絞って紹介していきます。
順位 | 銀行名 | 開設のしやすさ | 振込手数料の安さ | 使い勝手 |
1位 | PayPay銀行 | ◎ | △ | ◎ |
2位 | GMOあおぞらネット銀行 | △ | ◎ | ◎ |
3位 | 楽天銀行 | △ | ○ | × |
(調査時期:2019年7月)
【1位】PayPay銀行(ビジネスアカウント・営業性個人)
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)は、日本初のネット銀行として2000年に開業。
PayPay銀行を利用する最大のメリットは、口座開設のしやすさ。
他のネット銀行では、屋号付き口座の開設には「個人口座の開設」が必須ですが、PayPay銀行では不要。最速で屋号付き口座を開設できます。
また、取引ごとに、「ワンタイムパスワード」とよばれる使い捨てパスワードが発行されます。万が一パスワードが盗難されても、不正に取引されることはありません。
さらに、キャッシュカードには「VISAデビット機能」が付いています。口座引落し感覚でVISA決済ができるため、大変便利です。

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【2位】GMOあおぞらネット銀行(個人事業主口座)
GMOインターネットグループとあおぞら銀行が共同出資する「GMOあおぞらネット銀行」は、2018年に誕生した新しいネット銀行です。
GMOあおぞらネット銀行を利用する最大のメリットは、手数料の安さ。他のネット銀行よりも、振込手数料が安く設定されています。
取引の際は、ワンタイムパスワードのような「アプリトークン」が発行されるため、セキュリティーも万全。
また、PayPay銀行と同様、VISAデビット機能付きキャッシュカードが無料で配布されます。しかも、「還元率 1%」のキャッシュバックがあるため、キャッシュバック分が経費の足しになるでしょう。
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【3位】楽天銀行(個人ビジネス口座)
楽天銀行の個人ビジネス口座は、振込手数料がPayPayとGMOあおぞらの中間くらい。「ワンタイム認証」を採用しているため、セキュリティーもしっかりしています。
ところが、(PayPayとGMOあおぞらでは使える)モバイルバンキングに対応していません。
外出先でサクッと残高確認・振込ができないため、いざという時に不便かもしれません。
6.さいごに
プライベートとビジネスの口座をきっちりと分けるところから、独立開業はスタートします。
煩わしいお金の管理をラクにし、本来の仕事に集中するために、自分にぴったりの「屋号付き口座」を選んでみてくださいね。
引用・参考文献
- 個人事業主コンパス「個人事業主やフリーランスの銀行口座はここがおすすめ!【2019年版】」、(閲覧日:2019年7月13日)
- HOW MATCH「屋号付き銀行口座を開くならココがイチ押し! 個人事業主必見情報」、(閲覧日:2019年7月13日)