こんにちは。個人事業主の「Sバード」です。
この記事では
を、実際の記入例を基に、わかりやすく解説しています。
開業届を提出する際に見逃せない「注意点」も記載しているので、

1.開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)とは?
開業届とは
です。
会社員の所得税は、毎月の給与から自動で天引きされます。それに対して、個人事業者は自分で所得税の額を計算し、確定申告を行う必要があります。
開業届には
と税務署に宣言する役割があります。
2.開業届の入手方法
国税庁のWebサイト内の
から、ダウンロードできます。
3.開業届の記入例
私(Sバード)が実際に記入した内容を基にし、見やすく加工しています。

基本的には、赤色の項目に記入すればOKです。(従業員を雇う場合は、緑色の項目にも記入)
4.開業届の書き方
上の欄から順に、解説しています。
【項目 1】納税地

納税地に該当する項目を選択し、「住所」「電話番号(携帯でも可)」を記入します。
通常は
とします。
[1]住所地 | 住民票に記載されている、実際に住んで生活している場所 |
居所地 | 住民票に記載されていない、一時的に住んでいる場所(セカンドハウス、別荘など) |
事業所 | 事務所として借りている物件、店舗 |
(自宅とは別に)事務所や店舗を構えて開業する人もいるでしょうが、基本的には「住所地」で届出をします。
「事務所にいる時間が長い」のような理由で、どうしても事務所や店舗を納税地にしたい場合は
とすることもできます。
所得税・消費税の納税地の変更に関する届出手続が、別途必要です。
【項目 2】提出先・提出日

開業届を提出する「税務署名」と「日付」を記入します。
提出先の税務署は、【項目 1】で記入した
です。
各納税地を所轄する税務署は、税務署の所在地などを知りたい方|国税庁で検索できます。
【項目 3】氏名・生年月日

「氏名」「生年月日」を記入し、押印します。
【項目 4】個人番号

12桁の「個人番号(マイナンバー)」を記入します。
【項目 5】職業・屋号

「職業」「屋号」を記入します。
職業
- プログラマー
- Webデザイナー
- イラストレーター
- 翻訳家
- コンサルタント
のように、具体的で簡潔な職業名を記入します。
総務省統計局の日本標準職業分類に載っているような、正確な名称でなくても構いません。
職業名の書き方について、税務署に聞いてみたところ

とのことでした。


さめはだ舞子さんの記事によると、
税務署「基本的には“メイン収入”となる職業を1つ書けば大丈夫です」
とのことです。
屋号
- お店の名前
- 活動名
などを記入します。屋号を持たない場合は、空欄のままでOKです。
「屋号って何?」「どうやって決めるの?」という人は、次の記事をご覧ください。
【項目 6】届出の区分

「開業」を選択します。
【項目 7】所得の種類

通常は「事業所得」を選択します。(不動産投資がメインの場合は、「不動産所得」を選択)
【項目 8】開業・廃業等日

「開業日」を記入します。以下の例のように、開業日は自由に設定できます。
【開業日の例】
- 開業すると心に決めた日
- 開業のための準備を始めた日
- 事業を稼働し始めた日
- お店をオープンした日
【項目 9】開業・廃業に伴う届出書の提出の有無

上段
青色申告承認申請書も一緒に提出する場合は、「有」を選択します。
下段
課税事業者選択届出書の有無の選択。通常は「無」を選択します。
【項目 10】事業の概要

- WEBシステム開発
- キャラクターのデザイン
- アフィリエイトサイトの運営
- アクセサリーの製造・販売
- 電話相談サービスの運営
- 整体院の経営コンサルティング
のように、具体的で簡潔な事業内容を記入します。
【項目 11】給与等の支払の状況

- 青色事業専従者を雇う場合は「専従者」欄に
- それ以外の従業員を雇う場合は「使用人」欄に
「従業員数」「給与の定め方」「税額の有無[2]」を記入します。
給与から源泉所得税を天引きする必要があるか無いか。給与の月額が88000円以上の場合は、「有」を選択します。
【項目 12】源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無

源泉所得税の納期の特例の承認を希望する場合は、「有」を選択し、申請書を別途提出します。
【項目 13】給与支払を開始する年月日

従業員への給与支払を開始する日付(1回目の給与支払日)を記入して、完成です。
5.開業届の出し方(提出先・期限等)
5-1.提出先
【項目 2】で記入した
へ提出します。
受付時間は、どの税務署も基本的に
- 受付時間:8:30~17:00
- 閉庁日:土日祝日
となっています。
5-2.提出期限
【項目 8】で記入した
に提出します。(「所得税法 第229条」で規定)
5-3.提出物
- 開業届(提出用)
- 開業届(控用)
- マイナンバーカードの提示[3]
[3]マイナンバーカードを持っていない場合
以下の「番号確認書類」と「身元確認書類」が、それぞれ1つずつ必要です。
番号確認書類 |
|
身元確認書類 |
|
加えて、他の開業手続も同時に済ませる場合は、(開業届を含む)以下の提出物が必要です。
No. | 書類名 | 提出先 | 必須かどうか |
① | 開業届(+控え) | 税務署 | 必須 |
② | 事業開始等申告書(+控え) | 都道府県税事務所 | 必須 |
③ | 所得税の青色申告承認申請書(+控え) | 税務署 | 青色申告をする場合に必要 |
④ | 青色事業専従者給与に関する届出書(+控え) | 税務署 | 家族従業員を雇う場合に必要 |
⑤ | 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(+控え) | 税務署 | 従業員(家族従業員を含む)を雇う場合に必要 |
⑥ | マイナンバーカードの提示[3] | 税務署 | 必須 |
どの書類も、収入印紙を貼り付けたり、窓口で手数料を支払ったりする必要がありません。

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5-4.提出方法
税務署の受付窓口で
- 書類を提出
- マイナンバーカードを提示
します。
税務署の職員がその場で記入内容を確認し、(不備がなければ)提出用と控用にポンポンッと受領印を押してくれます。
あっという間に終わります!

「税務署に行く暇がない」という人は、郵送でも提出できます。詳しくは、次の記事をご覧ください。
6.開業届を出す際の注意点
【注意点 1】「控え」を忘れずに
開業届は、一度提出すると手元に戻ってきません。必ず「控え」も準備し、窓口で受領印を押してもらいましょう。
開業届の控えは
- 屋号付きの銀行口座を作る際
- 金融機関に融資を申し込む際
に、必要になります。
【注意点 2】他の書類も忘れずに
(前述のように)他の開業手続も同時に済ませるためには、「開業届」以外の書類も必要です。
「書類を準備し忘れて、もう一度税務署に行くことに……」と、二度手間にならないよう
- すべての書類が揃っているか
- 記入不備がないか
を、入念にチェックしましょう。
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引用・参考文献
- 長峰洋子・田辺麻紀著『オール図解 開店・開業 こうすすめれば成功できる』こう書房
- 国税庁「税務手続の案内」、(閲覧日:2019年6月22日)
- さめって参る!「開業届|「職業欄」「事業の概要」の書き方 | フリーランスなど個人事業主のみなさんへ」、(閲覧日:2019年6月22日)